遠野の狛犬

サムネイル画像とタイトルに撮影日の画像集「withPhoto」へのリンクが施されています。左側の各項目には過去に撮影された画像集やYouTubeも掲載されているものもあります。ただし、下記の説明文の最後に左側項目へのリンクがないものは、過去に撮影された画像集またはYuoTubeがありません。

砥森神社の狛犬(小)

2012.06.08

遠野遺産第90号(砥森神社と本宮五輪塔)

遠野市宮守町下宮守31地割124番地

昭和16年9月に奉納されている、お社そばの石彫りの狛犬だが鳥居そばの狛犬と奉納された年代が全く同じだ。特に比較的表現が簡素な石彫りの場合、年代を特定するものが見つからない場合が多いが、この狛犬の台座にははっきりと年代が読み取れる彫りがあった。

砥森神社に奉納されたこの2対の狛犬が同じ時期に作られたものなのだが、その表現の仕方に大きな違いがあるのは興味深い。

砥森神社の狛犬(大)

2012.06.08

遠野遺産第90号(砥森神社と本宮五輪塔)

遠野市宮守町下宮守31地割124番地

昭和16年9月に奉納されている、大鳥居そばの石彫りの狛犬。台座もりっぱに作られており、お社のそばの狛犬より大きく彫りが深く表情が生き生きとしている。全体的にダイナミックによく表現されており、歯と爪、そして毛並みの荒々しさがいい。宮守町にある石彫りの狛犬の中で最も表現力豊かな狛犬と言っていいかもしれない。

山神神社(下宮守)の狛犬

2012.04.18

遠野市宮守町下宮守30地割

山神神社にある小さい石造りの狛犬。

遠野では石造りの狛犬は逆に少ないくらいだが、ここ宮守では今のところ石造りの狛犬しか出会わない。沼田三次郎氏との縁がほとんどなかったということか。

表情に大きなアクションがなく、阿形はずる賢こさを感じさせ、吽形はおとなしく真面目な感じ。塚沢神社の狛犬に似ているような。制作年代のわかるものが何もなかった。

現在この石碑群の画像集はありません。

遠野郷八幡宮の狛犬(新)

2012.02.15

遠野市松崎町白岩23地割19番地

平成4年9月に「世界平和」「交通安全」「国家繁栄」を祈願し、遠野市土渕町飯豊の菊池多七氏家族一同が献上建立した石材の狛犬です。

新しそうで大きい狛犬の代表格は南部神社拝殿前の狛犬、六神石神社の狛犬があるが全体の雰囲気が似ているような。表情は一番ひょうきんなおどけた感じ。

遠野郷八幡宮の狛犬(古)

2012.02.15

遠野市松崎町白岩23地割19番地

この狛犬は遠野の陶器製狛犬の歴史を知る上で大変重要なものです。沼田三次郎氏が自分で会社を興す前の昭和初期、平野瓦工場に勤めていた頃の作品です。その頃の逸話を含め沼田三次郎氏がどういう人物だったのかをお孫さんである沼田弘氏のブログで知ることが出来ます。ブログはこちらをご覧下さい。

日枝神社消防追悼碑の狛犬

2012.01.20

遠野市遠野町21地割20番地

日枝神社境内に建立された消防追悼碑を護る石造りの狛犬。もうかなり風化しており、顔の表情もあまりよく読み取れない。制作年代は記されていない。姿形から南部神社の入口、あえりあ遠野の前にある狛犬とよく似ている。同じ石工の作品と思われる。

日枝神社の狛犬

2012.01.20

遠野市遠野町21地割20番地

昭和42年に10名の寄進により奉納建立された陶器瓦の狛犬。狛犬制作者は沼田三次郎、左官工事者は菊池酉松と刻まれている。

瞳がエメラルドグリーンに輝く狛犬はここだけだろう。意図的なものではなく、釉薬が剥げたようにも見える。座ってはいるものの、毛が荒々しく渦を巻く躍動感ある狛犬だ。台座が高くなかなか狛犬の顔の高さは万歳して届くくらいだ。

伊勢両宮神社(六日町)の狛犬

2011.12.08

遠野市六日町7地割6番地

鉛色に輝くまだ新しい狛犬。昭和54年8月制作で作者は沼田三次郎と刻まれている。沼田三次郎79歳の頃の作品となる。

この鉛色の輝きは、現在の瓦屋根の色にも多く見られるが、最も新しい焼き瓦の色出しなのかもしれない。

制作年が昭和54年とは、遠野で一番新しい狛犬か。瓦製のため阿形の狛犬にほんの少し欠けているところが出ている。なかなか制作当時の状態を保つのは難しいものだ。

塚澤神社の狛犬

2011.11.29

遠野遺産第107号(塚澤神社)

遠野市宮守町下宮守6地割

昭和4年4月1日の御所拝観記念として奉納され、昭和9年3月10日に建立された。同時期の狛犬として石神神社の狛犬がある。丸味を帯びた体つきは似ているが、こちらの方が表情が優しいというか造形のダイナミックさがない。特に感じられるのは表情と尾の表現だ。また、胴体が直線的で今ひとつリアリティがない。脚も指や爪の表現がない。全体的な印象は風化の度合いが強いため?。

程洞稲荷神社の狛犬

2011.12.02

遠野市遠野町2程洞91

この狛犬は製造所・沼田製瓦工場、制作者・昆幸次郎と刻まれた瓦が狛犬の脚の間に設置されている。セメントで狛犬と瓦をくっつけているようだ。瓦の裏には制作の年代と思われる昭和十七年の文字が縦に刻まれている。奉納者の名前は確認できなかった。阿形の狛犬の横腹に直径10cmほどの穴が開いていた。

青笹八幡宮の狛犬

2011.11.25

遠野遺産第59号(青笹八幡宮)

遠野市青笹町青笹10地割

阿曽沼氏の時代に菊池成景の居館があったという。戦時中盛んに信仰され、出征者の武運を祈る人が後を絶たなかった。戦時中の八八幡参りや、忠魂碑、英霊堂 があること等から、八幡信仰との複合的な民間信仰の場となっている。

ここの狛犬は明らかに日出神社の狛犬と出所は同じと思われる。最も顕著な特徴は河童のような平たい頭。鼻の形は意識して変えているが口から頬の膨らみは同一と見ていい。なぜかこちらの阿形の狛犬も片耳が欠けて取れている。なにやら遠野物語に出てくる権現様のけんかにあやかっているのかもしれないとふと思ったのだが。

石上神社の狛犬

2011.11.22

遠野遺産第54号(石上神社)

遠野市綾織町みさ崎3地割55番地2

遠野三山の一 つ石上山の麓に鎮座し、深い緑に包まれ、風格ある拝殿が静かにたたずむ。文治年間(1185 ~1190)に阿曽沼氏が勧請したという。旧綾織村の村社として広く信仰を集めた。例祭は 8月第1日曜日に行われる。

この石造りの狛犬は、関西四国遊覧記念に昭和12年2月28日に建立されています。すでに70年以上経っていることになります。全体の表情から南部神社富士登山記念の狛犬、巌龍神社の狛犬と同系列の狛犬と思われます。

日出神社の狛犬

2011.11.21

遠野遺産第42号

遠野市上郷町細越31地割11番地

義経の娘、日出姫がこの地で亡くなったという伝説がある。旧上郷村の村社である。眼病に効験があるとして、江戸時代には遠野南部氏からの篤い信仰があっ た。例祭は6月第3日曜日に行われている。

なんともユーモラスな表情をした焼物の狛犬だ。頭がかっぱのように平らで、鼻はまさに獅子鼻でぺったりしている。それを補うかのように頬が膨らんでいる。残念ながら、阿形の狛犬の耳が一つ取れており、脚部分と腹部が壊れている。年代を特定できるものは見つけられなかった。

赤羽根稲荷神社の狛犬

2011.11.21

遠野遺産第61号(赤羽根稲荷神社)

遠野市上郷町平倉41地割55番地

創建は天文年間(1532~1555)と伝えられる。旧高田街道赤羽根峠への入口に位置し、祭 日には多くの参拝客で賑わった。現在の社殿は、文久 3年(1863)に再建されたもの。

昭和7年7月吉日に建立された焼物の狛犬です。台座の上には50円玉が。その横をよく見るとちゃんと足の爪も彫り込まれています。が、脚の間は空洞にはなっていません。頭と尾にボリューム感があり、この形だから建立されてから80年も立つというのにほぼ無傷なのかもしれません。

二郷大明神の狛蛇

2011.11.20

遠野市綾織町下綾織35地割

小友峠、二郷山中腹にある神社です。ここから綾織の向に下りてゆくこの付近を境に小友側が完全舗装、綾織側は車1台が通れる未舗装部分が始まります。昨年11月までに綾織側一部が新しく舗装されました。

石造りの鳥居のそば左側に、なんと、とぐろを巻いたなんとも愛嬌のあるもともとは真っ白だったであろう蛇の石像が1体無造作に鎮座しています。その特異な姿から、あえて狛蛇として掲載致しました。それにしても右目に置かれた1円玉がいい味を出しています。

山谷観音の狛石

遠野七観音の第一札所

遠野遺産第一号(山谷観音)

遠野市小友町37地割1番地

2011.11.20撮影

遠野七観音の第一番札所。大慈山長福寺として斉衡元年(854)に創建されたと伝えられる。元禄12年(1699)観音堂再建され中世堂の特徴を伝える。(現存)、寛保2年(1742)十一面観音像を安置(現存)。県指定有形文化財。

ここには狛犬ならぬ狛石がある。素材は自然石か、たぶん二対ではないかと思われる大小二つの石が石段を登り切った各観音堂狛犬の定位置に鎮座している。果たして犬をイメージしたものか、角度によっては犬にも見え蛇や龍にも見える。いや組み合わせるとゴジラかガメラだ。苔生したこの石、置かれた年代などもちろんわからない。

巌龍神社の狛犬

2011.11.20

遠野遺産第31号(不動岩と巌龍神社)

遠野市小友町33地割4番地  

不動尊が祀られている巖龍神社の背後にある、高さ約54mの岩壁。その名の由来となった岩面には登り降りする龍の姿のような跡がある。

石造りの狛犬で、ブルドッグのようなボテッとした体躯に脚の短いどっしりとした姿が特徴だ。建立年代を示すものは台座にはなかった。表面が大分風化しているため、余計に表情が優しく見える。

熊野神社(青笹町中下)の狛犬

2011.11.16

遠野市青笹町青笹17地割

中下部落公民館に隣接しており、お社も大きく存在感があります。

境内というよりは隣家へ入る入口となっていて公民館と隣家の納屋に挟まれています。

平成11年5月吉日に奉献された狛犬ですが、壊れた狛犬も捨てられずに神社を見守っています。

比較的小振りな狛犬で、口、目、鼻の穴が朱で塗られています。そういう朱塗りがある点と子供狛犬と毬を脚で押さえつけいるポーズは六角石神社の狛犬と同じ。がしかし、表情などは全く違い、しし踊りのしし頭のようなイメージを感じます。

熊野神社(青笹町中下)の壊れた狛犬

2011.11.16

遠野市青笹町青笹17地割

中下部落公民館に隣接しており、お社も大きく存在感があります。

境内というよりは隣家へ入る入口となっていて公民館と隣家の納屋に挟まれています。

平成11年に新しく狛犬が奉献されていますが、壊れた狛犬も捨てられずに神社を見守っています。ひとつは顔と手足が欠けており胴体だけとなった狛犬、もうひとつは頭部分だけが残った狛犬。哀れな感じはしますが、どうしても捨てられない思い出のつまった狛犬なのでしょう。奉納された年代は不明です。

駒木蒼前堂の狛牛

2011.11.14

遠野市松崎町駒木4地割

このお堂周辺が馬の里の牧草地になっており草原が気持ちいい場所です。おもしろいことにここの狛犬は牛です。遠野市内ではここだけではないでしょうか。

1対の狛牛ですが、よく見ると向いている方向が違います。1頭は参拝者を待ち受け、1頭はお堂の方を向いていますが、果たしてわざとなのかそれとも。

デファルメされていない写実的な狛牛、牛の表情は穏やかでのんびりした雰囲気が体全体から醸し出されています。蒼前堂に馬ではなく牛が鎮座しているのは、牛の育成頭数が多かったためでしょうか。それとも馬を祀っているから敢えて同じように大事に扱っている牛を鎮座させたのか。

伊豆神社の狛犬(古)

2011.11.14

遠野遺産第14号

遠野市上郷町来内6地割21番地3

創建は不明。大同年間(806~809)早池峰を開山した始閣藤蔵が厚く信仰したといわれ、その人物の石碑も入り口に建てられている。現存すると思われる 最古の棟札は元文2年(1737)再興の もの。遠野三山伝説の発祥の地である。

 階段を上りきったお堂前にお堂の大きさとは似つかわしくない小さな狛犬が鎮座している。平倉観音や松崎観音など遠野市内で古いと思われる狛犬とは顔形が違う。素朴さ一番ではないか、なにやらニヤッと笑っているように見えるのも小ささ故に微笑ましい。脚部分は風化しており、台座も最初からのものではないだろう。年代を知る手かがりも台座にはないが、この狛犬が遠野では一番古いように思う。 

伊豆神社狛犬(新)

2011.11.14

遠野遺産第14号

遠野市上郷町来内6地割21番地3

創建は不明。大同年間(806~809)早池峰を開山した始閣藤蔵が厚く信仰したといわれ、その人物の石碑も入り口に建てられている。現存すると思われる 最古の棟札は元文2年(1737)再興の もの。遠野三山伝説の発祥の地である。

鳥居前にある最初の焼物狛犬である。阿形の狛犬の顔が割れて欠けていて痛々しいが、どこかびっくりしたような表情がひょうきんだ。耳は立体的、歯は人間に似ていて犬歯もある。この割れは震災前からのものだ。頭の大きさの割には胴体が細身である。台座には年代などを知る手がかりがない。

遠野むかしばなし村の狛犬

2011.11.12

遠野市中央通り2-11

遠野むかしばなし村にある松尾さんという小さな神社の中に鎮座するこれまた小さい狛犬である。もともとは造り酒屋にあった神社だという。

この狛犬、非常に面白い表情というか造りで、カモノハシという動物を連想させる。平面的な造り、口の開き方もなにか中途半端な感じでニヤッと笑っているように見え、面長な顔とちょこんと付けられた耳、なんともかわいらしい。お堂の中でなにやら二頭で話をしているようだ。

台座には菊の紋などが彫られているが、制作年代はわからない。狛犬の間には不思議な蛇がとぐろを巻いた形をした石(溶岩の固まりか?)がある。

南部神社拝殿前の狛犬

2011.11.12

遠野市遠野町5地割40番地

拝殿前の石囲いと一体化している狛犬である。なんとも表情や体のデザインが現代的でアニメチック、体躯も細身でイケメンな狛犬だ。遠野市内に類似した狛犬を見たことがない。

石囲いの石柱には南部神社の歴史が刻まれており、明治14年8月10日に鍋倉神社創立出願、昭和19年3月11日に南部神社と改称したとある。昭和34年5月6日三公合祀とありその記述が最後ということは狛犬の建立はその頃か。

南部神社富士登山記念狛犬

2011.11.12

遠野市遠野町5地割40番地

ホテルあえりあ遠野の前に建立されている狛犬。最初の鳥居までの坂道沿いに市立図書館と博物館がある。

狛犬の台座には富士登山記念と刻まれ、奉納寄進者の名前が裏に彫られているが建立された日付を確認できなかった。狛犬の前にある「遠野公園南部神社」の石柱がセットであれば昭和32年5月7日の建立である。

石造りで丸味を帯びた体躯、ちょこんと出た太い尾が特徴。全体の彫りは滑らか且つ大胆である。表情もまた丸味のありイカツイ感じがない。

常堅寺の狛犬

2011.11.09

正式名 蓮峰山 常堅寺

宗派 曹洞宗

本尊 釈迦如来

遠野市土淵町土淵7地割50番地

この狛犬は大正11年に建立されている。なんの願掛けなのか、丸い小石が無数に置かれている。

石造りの狛犬で、丸味を帯びた体躯が荒々しさを抑えている。遠野では角を持つ狛犬は珍しい。ここには゜かっぱ狛犬」もあるのだが、大きさの違いや表情の違いはあるのだが基本的な造形が似ている気がする。同じ系列の石工の作か。

常堅寺の狛犬

2011.11.09

正式名 蓮峰山 常堅寺

宗派 曹洞宗

本尊 釈迦如来

遠野市土淵町土淵7地割50番地

この狛犬は大正11年に建立されている。なんの願掛けなのか、丸い小石が無数に置かれている。

石造りの狛犬で、丸味を帯びた体躯が荒々しさを抑えている。遠野では角を持つ狛犬は珍しい。ここには゜かっぱ狛犬」もあるのだが、大きさの違いや表情の違いはあるのだが基本的な造形が似ている気がする。同じ系列の石工の作か。

倭文(ひどり)神社の狛犬

2011.11.04

遠野遺産第103号

遠野市土淵町土淵18地割174番地

人面顔の狛犬である。表情からすれば松崎観音の狛犬と六神石神社の狛犬との中間的存在。ただ、ここの狛犬が傷みが一番あるようだ。尾が欠けていたり、全体に凹凸がない。もともとの造りがあまり彫り込まれていないものだったようにも見受けられる。そういう意味では遠野で一番古い狛犬なのか。顔の表情はあの猿の惑星の人間に好意的な老猿ゼイウス博士を思い浮かべてしまう。

暮坪の熊野神社の狛犬

2011.11.03

遠野市上郷町佐比内31地割1番地

お堂は平成22年12月3日に改修工事が完了しています。その工事を一部始終をじっと見守っていた古くて小さな苔生した狛犬は人面顔です。遠野にある古い狛犬の中で全く表情が異質で本当に人間に近い。双方の狛犬の頭の上には500円玉大のへこみがありますがろうそく立てにでも使用したのか、それとも河童なのか。

この顔、時代劇などで活躍した名脇役、花沢徳衛さんに似ているような。

六神石神社の狛犬(新)

2011.11.02

平成7年5月1日建立

奉納者 千葉克雄

遠野市青笹町中沢17地割131番地

本堂への最後の階段を上りきったところにあります。もともとここには狛犬がなかったのでしょうか。それとも建て替えられたのか。焼物ではない石造りの狛犬で、頭の大きさを強調する造りです。口の中は朱に塗られ、それぞれが足で押さえつけているのは子供でしょうか、蛙にも見えるような、もう一つは毬でしょうか。なんか本当の犬っぽい狛犬です。

六神石神社の狛犬(古)

2011.11.02

遠野市青笹町中沢17地割131番地

本堂への最初の階段を上りきったところにあります。

形が松崎観音にある狛犬と胴体部分の作り方や人間そっくりの顔の表情など似ているがこちらの狛犬の表情も鬣も立体的である。こちらの方が松崎観音の狛犬より新しいのではないか。

台座には年号と奉納者の名前が刻まれていますが、年号が欠けていて読めません。永という漢字から、嘉永なら1850年前後、安永なら1770年代、宝永なら1700年代、寛永なら1650年前後となります。

元八幡宮の狛犬

2011.11.01

遠野遺産第35号

遠野市松崎町光興寺13地割84番地

大きさとしてはやや小振りだが、表情及び体の表現が非常に素直な造りで好感が持てる陶器瓦の狛犬である。制作者は沼田三次郎、昭和41年8月15日建立とある。沼田三次郎66歳の頃の作品となる。元八幡宮は、南部氏が寛文元年(1661)に八幡宮を現在の踊鹿山に遷宮した後、荒廃していたが明治以降に復興された。

松崎観音の狛犬

2011.10.27

遠野市松崎町松崎11地割81、82、83番地 

御堂の大きさとは不釣り合いなほど小さい狛犬だが、かわいらしさというかなぜか人面顔でやたら鼻が大きく素朴な味わいがある。犬というよりは猿、なぜかヒゲらしく見える顔はまさに孫悟空か。

迫力はないもののなんとも癒される雰囲気がなかなかいい。

平倉観音の狛犬

2011.12.01

遠野七観音第三札所(平倉観音)

遠野遺産第三号(平倉観音)

遠野市上郷町平倉47地割34番地

松崎観音と同様に御堂の大きさに比べてかなり小さい狛犬である。

顔は人面というよりは権現様のように起伏があり口に特徴がある。台座部分は省略されており本体のみが彫られており、台座となる丸い石に組まれている。姿勢は犬がお座りをした状態なので、なおさら小さく見える。

過去に撮影された画像はこちらにあります。