遠野物語拾遺10話
綾織村字山口の羽黒様では、今あるとがり岩という大岩と、矢立松という松の木とが、おがり(成長)競べをしたという伝説がある。岩の方は 頭が 少し欠けているが、これは天狗が石の分際として、樹木と丈競べをするなどけしからぬことだと言って、下駄で蹴欠いた跡だといって いる。一説には石はおがり負けてくやしがって、ごせを焼いて(怒って)自分で二つに裂けたともいうそうな。松の名を矢立松というわけ
は、昔田村将軍がこの樹に矢を射立てたからだという話だが、先年山師の手にかかって伐り倒された時に、八十本ばかりの鉄矢の根がその 幹から出た。今でもその鏃は光明寺に保存せられている。
2011.01.26
遠野遺産第78号
遠野市綾織町新里8地割
羽黒堂の創建は平安時代にまで遡るともいわれる。本尊は金銅聖観音坐像懸仏である。堂の後ろにある羽黒岩は、松の木と背比べをしたという伝説がある。伝統 的な風習を伝える場ともなっており、夜篭りなどが行われている。
2010/04/30
遠野遺産第78号
遠野市綾織町新里8地割
羽黒堂の創建は平安時代にまで遡るともいわれる。本尊は金銅聖観音坐像懸仏である。堂の後ろにある羽黒岩は、松の木と背比べをしたという伝説がある。伝統的な風習を伝える場ともなっており、夜篭りなどが行われている。